みどりうさぎの子守詩 (片井 絽々)

2013111
「 矛盾 」 

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充実しているつもりの
慌しい日々の中で

脳は満足を感じていたけど
心は切なさを感じていた
体は淋しさを感じていた

物足りなく
曖昧な季節に出逢った時に

脳は矛盾を感じたけれど
心は柔らかさを感じた
体は温かさを感じた
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2013年 1月 11日 掲載

201319
天女の衣
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天女の衣は 縫い目が無い
天女の衣は 色さえ持たぬ

人を迷い 人に迷い
ここかしこに結び目つくり
色づけされて立ち竦む

天女の衣まとったら
楚々と心
天空を舞えるのでしょうか?

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2013年 1月 09日 掲載

201318
言葉
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身体のどこへ
沁みたのでしょう?
些細な一言で
こんなにも悲しくなる。

身体のどこまで
浸したのでしょう?
優しい一言で
こんなにも幸せになれる。
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2013年 1月 08日 掲載

_20131DS
「 始まり 」 
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最小の数は 未来を抱いて
万物の誕生より先に
存在したのかも知れない

無限大の宇宙を詰めた
この人間さえも一人と数え

無限大の時が流れ行く
この時空さえも一秒とする

すべてを総括する始まりは
最も控え目ながら
最も偉大な夢の塊なのだろう
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2013年 1月 02日 掲載

20121231

「 森羅万象 」
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生きとし生けるもの達の
生かされたる命 ただひとつ
携えし心 ただひとつ

生きとし生けるもの達の
限りある身 ただひとつ
移ろう心 ただひとつ

生きとし生けるもの達の
受け取る今は 微々たる区切り
僅かに足らぬ時空の狭間

森羅万象
宇とは 限りなき時と知り
宙とは 果てしなき距離と知る

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2012年 12月 31日 掲載

_20121227
「 願い 」
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月は落ちて
   山々が眠る
陽が登りては
   揺り起こす

近くに在りて遠き人
遠くに在りても近き人

同じ月よ
   同じ陽よ
空を亘れ
変わりなき日々を願いて
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2012年 12月 27日 掲載

_20121226
「 時の記憶 」


時を刻む音は
ひとりひとりの
鼓動だった

身体ごとに違う速さで
ひとりひとりが
違う音だった

時の流れは
宇宙との約束ごとで
ひとりひとりの記憶だった

だから
急ぐことなんかない
あなたらしく過ぎればいい

だから
焦ることなんかない
あなたの記憶で進めばいい
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2012年 12月 26日 掲載

20121225Christmas

Our Father, who art in heaven,
hallowed be thy name;
thy kingdom come;
thy will be done,
in earth as it is in heaven.
Give us this day our daily bread.
And forgive us our trespasses,
as we forgive them that trespass against us.
And lead us not into temptation;
but deliver us from evil.
For thine is the kingdom,
the power, and the glory,
for ever and ever.
Amen.

2012年 12月 25日 掲載

12121221

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「 幻 」    
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あの頃の空は紅色に染まり
木々たちは競いあい
燃えるような儚さを奪いあった

染めつくした一葉から
舞い散ることを知っていながら
 
何故にと尋ねる晩秋の切なさ
応えもないまま冬の儚さ
艶やかな頃の現実と幻
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2012年 12月 21日 掲載

_20121219

「優しい法則」

 切なさの中でも
 日々は
 変わらずに止まらずに

 未来永劫なる
 時空は
 冷静で優しい法則で進む

 老いた母に
 言わない悲しみ
 素振り見せず
 ただ過ぎゆく時を待つ
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2012年 12月 19日 掲載

20121217

「 六方 」

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 東西南北と天と地へ
 祈りにも似た願いを託す

 大切な人よ健やかであれ
 優しい人よ幸せであれ

 遠く去った心よ穏やかであれ
 すべての心よ平静であれ

 東西南北と天と地へ
 祈りにも似た許しを託す

2012年 12月 17日 掲載


「ねむの木」



現世に生きる道すがら
夢を見る
夢を見る

刹那の悪夢と
また 歩き出す

未来を眺める時空間で
夢を見る
夢を見る

碧き星は
神々しく輝いていた

まどろみの中で目を開けると
若き日の 母の胸に
抱かれていた

その背景には 大きな大きな 
ねむの木が
綿毛のような花を咲かせる

天空を染めるほどに
優しく静かな 花色だった

穏やかな 揺らぎに包まれて
夢を見る
夢を見る

2012年 7月 10日 掲載


「紫の咲く」

雨の中に寄り添いて
咲いて見せるこの紫も
立ち枯れてゆく
季節の流れ徒然に

それは まるで自分のようだと
泣き顔のままで笑ってしまう

雨を抱えて咲く紫の
儚さ切なさ愛しさ寂しさ
幾千の色
重ね重ねて紫陽花の色

幾千の風
受けて越えて紫陽花の花

2012年 7月 09日 掲載


「雨音」

雨音は 夜明けの
切ない夢の音に似ている

泣いて泣いて
   泣いたら忘れる?

雨音は あの日の
悲しみの音によく似ている

泣いて泣いて
   泣いたら消える?

雨音は 泣き虫な
誰かの笑顔の音に似ている

2012年 7月 08日 掲載



「幸せの数」



有るものの数と
無いものの数は
同じなのかも知れません。

誰かに有るものが
自分には無いと思っても
悲しい数と幸せの数が同じなら

みんな同じだけの
切なさを抱えながらも
笑っているのですね。

2012年 7月 02日 掲載


「永遠の刹那」



この手で触れて知る 
カタチあるもの
この眼で見て気付いた 
深き色あるもの

どれ程の時が交差しようが
すべて刹那

この手に触れて知った 
愛しみの温度
この眼で見て解った 
優しさの意味

どれ程の時が集約したなら
永遠になるのだろうか?

2012年 6月 28日 掲載



「銀河伝説」


この星に青い風
渡りゆく限り

この星に翠の時
きざみ続く限り

風は 涙を乾かして去り
時は 寄り添いて在り
 
銀河のゆらぎ
この星を永遠に見守りて

2012年 6月 24日 掲載


「繋ぐ」



不要に憂うことなど
必要なかった

シナプスは
意識の時間よりも早く
天空と地を飛びて
ふたつを繋いだ

天空にありて君 
地にありて我

時空を越えて生命 
紡ぎ合って想い
繋がりて記憶 

2012年 6月 18日 掲載



「ごめんね」


ごめんね・・・って
言わなくてイイように

ごめんね・・・って
言わせなくてイイように

独りぼっちの方が 
日々は穏やかですか?

失敗ばかり繰り返しても
いっしょが幸せですか?

2012年 6月 16日 掲載


「生き方」

自分で決められないのは
どれだけ 生きるかという事でした。

自分に決められるのは
どのように 生きるかという事でした。

2012年 6月 15日 掲載