みどりうさぎの子守詩 (片井 絽々)
日々生きている中では・・・誰もに様々な心模様があります。
自分では気付かなくても・・・知らない間に誰かを傷つけていることもあるかも知れない。
そう思うので私は気になった時や、沢山の方とお会いさせて頂いた後は必ず・・・
我昔所造諸悪業 一切我今皆懺悔と、懺悔文をなんどか繰り返します♪
君の中にはもう・・・
僕の記憶の欠片さえなかった
370年の時を待ち
370年の心を探して
やっと廻り逢えたというのに
君の中からはもう・・・
僕の記憶の全てが消されていた
僕のせいなんだ
あの時 君に見栄をはった
あの日 君に小さな嘘をついた
あの頃 誰かを気付かないまま傷つけた
あの頃 誰かを気付かないまま悲しませた
我昔所造諸悪業 皆由無始貪瞋癡
従身語意之所生 一切我今皆懺悔
次の時が満ちたとき
次の体が出会うとき
次の心が宿るとき
もう一度・・・君と僕が廻り逢えますように
もう一度・・・大好きなみんなと廻り逢えますように
我昔所造諸悪業 皆由無始貪瞋癡
従身語意之所生 一切我今皆懺悔
振り返り見る 赤き花も
既に僅かな過去の幻
愛しさ紡ぐ 囁きさえも
耳に届くは 過去の戯れ
記憶なんぞも曖昧で
錯覚だらけの 嘘かも知れぬ
刹那の今を 信じるけれど
自らの足一歩ごとに
未来を彷徨う
赤い車で 去り行く君を
未来の点になるまで送る
悲しむなかれ
既に過去の虚像となりて
形あるもの全てはうつろい
時に溶かされ心うつろい
流されるまま それも良きかな
流れ行くまま それも粋かな
雨に打たれる
昨日の
色も
朝の陽を待つ
今朝の
色も
同じ夢みる
同じ花
気紛れな
花と呆れますか?
移り気な
花と
笑いますか?
この雨に打たれた花でも
もう一度
もう一度
もう一度
明日を咲いていいのですか?
あの晴れていた頃のようには
綺麗に咲けないかも知れません
それでも咲いて いいのですか?
もう一度
もう一度
もう一度
それでも咲いて みたいと思う・・・
季節が待っていて くれるものならば・・・
真夜中に時の流れる
音が聞こえた
驚いて目をさますと
時計の秒針が
ぐるぐると回転していた
私の心が止まっていたから
部屋の時間も止まったままだった
前を向いた心に合わせ
電波時間が慌てて修正していた
慌てなくてなくていいのです。
これが正解なのか
どれが普通なのか
誰にも分かりはしない
今の この刹那さえ
虚像なのかもしれないし
間違いかもしれない
嘘なのかもしれない
だから
急がなくていいのですよ。
父がひ孫を膝に乗せて
チラシで作る紙ひこうき
その手も その目も
あの日と同じで
幼い頃の自分を重ねる
父の中にも 私が重なる
いつまで覚えていてくれますか?
今のことを忘れ行く人
幼い私と 今の私と
どちらが先かと選べるのなら
幼い私を忘れてください
今の私は 忘れないでください
ふたりでも
辛い時は辛いけど
誰かの傍でも
淋しい時は淋しいけど
どうせ辛いのなら
大好きな人と一緒がいい
どうせ淋しいのなら
大好きな人の傍がいい
五月の空は
命の故郷そのものだった
五月の風は
生きる波動を正してくれた
母の青い海と
父の青い空と
子供達の青い星
いくつもの空間次元をワープする
君達も永遠の旅人ならば
時間を携え命の幅や
方向を定め惑うてみたり
心憂いて進むことなど
愚かなことと悟された
ただ ひたすら真っ直ぐに
歩き続けていても
誰かと出逢うことなど無かった
ただ ひたむきに真っ直ぐな
時を辿って生きていても
何かと出会うことなど無かった
心と時空が この場所で
待ち合わせたように交差した
その点の位置で何かと出会い
出逢った位置から紡ぎ合い
螺旋を描きて織り成してゆく
振り返ると
美しい一本の反物のように
過去から未来へと染め上げていた
薄絹を
幾重にも幾重にも
絡ませて蒔きつけて
けれども儚い
繭の中に
心を丸めて目を閉じる
平穏な場所だと
思い込ませて
さまざまな色の思い抱いて
ねんねんころり
ねんねんころり
暫くここで眠ったら
薄絹の繭を這い出そう
羽のついた背中になって
ひとりの人に、ひとつづつの
ひとりぶんの喜び
ひとりの人に、ひとつづつの
ひとりぶんの悲しみ
ひとりの人に、ひとつづつの
ひとりぶんの幸せ
ひとりの人に、ひとつづつの
ひとりぶんの苦しみ
ひとりひとりの、自分の荷物だから
ひとりひとり、自分で背負っているんだね
ひとりの人に、ひとつづつの
ちいさな喜びを
ひとりひとりが、ひとつづつ
持ち寄り集めて笑ってみても
やっぱり、
ひとりひとりの 人に
ひとりひとつ分の幸せだったし
ひとりにひとつづつの 悲しみを
もち寄り慰め合ってみても
やっぱり、
ひとりひとりの人に
ひとりひとつ分の悲しみだったし
なのに ひとりじゃないよ!って・・・
だけど ひとりじゃないよ!って・・・
だけど独り? なのに独り!
僅かばかりを 咲いた花
ただ一度きりを 咲かせて閉じた
人の長さも 似たようなもの
僅かな時を 咲き誇れ
ただ一度きりの 現世の花
人の命も 似たようなもの
散る季節など 知る由もなく
切なくも優しき 花達よ
この道を 桜色に染めていた
あの春の日の 刹那の浪漫
この道を 桜色で覆っていた
あの春の日の 記憶も薄れ
雨に打たれば 切ないだけで
土に染みては 儚いだけで
移ろい過ぎる 沈黙の時
何時しか溶かされ地中に沁みる
初夏の陽射しが 大地を干して
南から来たものが 草を揺らす
今 木々の幹を 突き抜けるのは
この日の為に 交わした約束
枝に蘇る芽吹きの色よ
小枝の端まで碧染め付け
この爛漫の煌めきは
今 木々物語り 初夏の章
夜明けを告げて
鳥が走る
新緑の木々達は
一度大きく息を吸った
そして
昨日の息を 深く吐いた
促されたように
夜が帰る
きみどり色の光が揺れ
君の為の太陽が昇り始めた
ほら!
今日と言うタイトルの舞台が始まる
今日と言うタイトルの幕が上がる
朝の風景が浮かび上がり
シナリオの一行目が始まった
ここに展開するストーリーは
必ず幸せでなくては いけない
君のための 今日の舞台
私のための 今日の舞台
命持ちたる
すべての命は
その身に 母あり
母 忘れることなき
あの日
聞いた子守唄
遠くなりし
耳もとで
我が歌おう
母守唄
これほどまでに美しい
朝の空が待っていてくれたのに
どうして淋しいのでしょうね。
どうして切ないのでしょうね。
迷ってばかりの心です。
背伸びしてまで遠くを見たり
振り返ってまで過去を悔やんだり
これほどまでに優しい
夜明けの空だから
ここで少し休んでってもいいですか?
無理して笑わなくてもいいですか?
子供みたく泣いてもいいですか?
花達は
巡る四季に寄り添いて
咲く時を知り 開くなり
季節巡れど狂った夏に
黄色き花が咲きて戸惑う
いえいえ おまえのせいじゃない
花達は
寄せる暦を待ち侘びて
咲く時を知り開くなり
暦過ぎるも狂った春に
桃色の花が 散り急ぐ
いえいえ おまえのせいじゃない
道端に咲きし 青ざめた花
うなだれたままに 時を問う
いえいえ おまえのせいじゃない
好きな時に 咲けば良いさ
季節巡った 暦の頃に
青ざめた花と海で出会った
おまえは 青い魚になっていた
深い海に お似合いだった
ゆらゆら綺麗な 海の花だった
ゆらゆら華麗な 青い魚だった
胸の前で 両手を逢わせ
指を開けば花が咲く
咲いた花は 生命花
咲くのを止めた 私の花よ
指をきつく絡め合い
悔しさ内に 閉じ込めた
胸の前で 両手を逢わせ
静かに指を重ねたら
祈りの花を 咲かすのに
生命の花を 咲かすのに