みどりうさぎの子守詩 (片井 絽々)

日々生きている中では・・・誰もに様々な心模様があります。
自分では気付かなくても・・・知らない間に誰かを傷つけていることもあるかも知れない。
そう思うので私は気になった時や、沢山の方とお会いさせて頂いた後は必ず・・・
我昔所造諸悪業 一切我今皆懺悔と、懺悔文をなんどか繰り返します♪


僕の懺悔

君の中にはもう・・・
僕の記憶の欠片さえなかった

370年の時を待ち
370年の心を探して
やっと廻り逢えたというのに

君の中からはもう・・・
僕の記憶の全てが消されていた

僕のせいなんだ
あの時 君に見栄をはった
あの日 君に小さな嘘をついた

あの頃 誰かを気付かないまま傷つけた
あの頃 誰かを気付かないまま悲しませた

我昔所造諸悪業 皆由無始貪瞋癡
従身語意之所生 一切我今皆懺悔

次の時が満ちたとき
次の体が出会うとき
次の心が宿るとき

もう一度・・・君と僕が廻り逢えますように
もう一度・・・大好きなみんなと廻り逢えますように

我昔所造諸悪業 皆由無始貪瞋癡
従身語意之所生 一切我今皆懺悔

2011年 6月 21日 掲載


過去

振り返り見る 赤き花も
既に僅かな過去の幻

愛しさ紡ぐ 囁きさえも
耳に届くは 過去の戯れ

記憶なんぞも曖昧で
錯覚だらけの 嘘かも知れぬ

刹那の今を 信じるけれど
自らの足一歩ごとに
未来を彷徨う

赤い車で 去り行く君を
未来の点になるまで送る

悲しむなかれ
既に過去の虚像となりて

形あるもの全てはうつろい
時に溶かされ心うつろい

流されるまま それも良きかな
流れ行くまま それも粋かな

2011年 6月 18日 掲載


気紛れな花

雨に打たれる
昨日の
色も

朝の陽を待つ
今朝の
色も

同じ夢みる
同じ花

気紛れな
花と呆れますか?

移り気な
花と
笑いますか?

2011年 6月 17日 掲載


つばめ
一筋に空を泳ぐ

碧い光の時も
蒼い海の時にも

悲喜こもごもの心を
まるで
縫い合わせるかのように

2011年 6月 16日 掲載


この雨に打たれた花でも

 もう一度
   もう一度
     もう一度  

明日を咲いていいのですか?

あの晴れていた頃のようには

綺麗に咲けないかも知れません

それでも咲いて いいのですか?

  もう一度
    もう一度
      もう一度  

それでも咲いて みたいと思う・・・

季節が待っていて くれるものならば・・・

     

2011年 6月 06日 掲載


時計

真夜中に時の流れる
音が聞こえた
驚いて目をさますと
時計の秒針が
ぐるぐると回転していた

私の心が止まっていたから
部屋の時間も止まったままだった
前を向いた心に合わせ
電波時間が慌てて修正していた

慌てなくてなくていいのです。
これが正解なのか
どれが普通なのか
誰にも分かりはしない

今の この刹那さえ
虚像なのかもしれないし
間違いかもしれない
嘘なのかもしれない

だから
急がなくていいのですよ。

2011年 6月 02日 掲載


紙ひこうき

父がひ孫を膝に乗せて
チラシで作る紙ひこうき

その手も その目も
あの日と同じで

幼い頃の自分を重ねる
父の中にも 私が重なる

いつまで覚えていてくれますか?
今のことを忘れ行く人

幼い私と 今の私と
どちらが先かと選べるのなら

幼い私を忘れてください
今の私は 忘れないでください

2011年 6月 01日 掲載


どちらにしても

ふたりでも
辛い時は辛いけど

誰かの傍でも
淋しい時は淋しいけど

どうせ辛いのなら
大好きな人と一緒がいい

どうせ淋しいのなら
大好きな人の傍がいい

2011年 5月 29日 掲載


MESSAGE

五月の空は
命の故郷そのものだった

五月の風は
生きる波動を正してくれた

母の青い海と
父の青い空と
子供達の青い星

いくつもの空間次元をワープする 
君達も永遠の旅人ならば

時間を携え命の幅や
方向を定め惑うてみたり

心憂いて進むことなど
愚かなことと悟された  

2011年 5月 28日 掲載


 螺旋

ただ ひたすら真っ直ぐに
歩き続けていても
誰かと出逢うことなど無かった

ただ ひたむきに真っ直ぐな
時を辿って生きていても
何かと出会うことなど無かった

心と時空が この場所で
待ち合わせたように交差した

その点の位置で何かと出会い
出逢った位置から紡ぎ合い
螺旋を描きて織り成してゆく

振り返ると
美しい一本の反物のように
過去から未来へと染め上げていた

2011年 5月 27日 掲載


薄絹を
幾重にも幾重にも
絡ませて蒔きつけて

けれども儚い
繭の中に
心を丸めて目を閉じる

平穏な場所だと
思い込ませて
さまざまな色の思い抱いて

ねんねんころり
ねんねんころり

暫くここで眠ったら
薄絹の繭を這い出そう
羽のついた背中になって

2011年 5月 26日 掲載


ひとり

ひとりの人に、ひとつづつの
ひとりぶんの喜び

ひとりの人に、ひとつづつの
ひとりぶんの悲しみ

ひとりの人に、ひとつづつの
ひとりぶんの幸せ

ひとりの人に、ひとつづつの
ひとりぶんの苦しみ

ひとりひとりの、自分の荷物だから
ひとりひとり、自分で背負っているんだね

ひとりの人に、ひとつづつの
ちいさな喜びを

ひとりひとりが、ひとつづつ
持ち寄り集めて笑ってみても

やっぱり、
ひとりひとりの 人に
ひとりひとつ分の幸せだったし

ひとりにひとつづつの 悲しみを
もち寄り慰め合ってみても

やっぱり、
ひとりひとりの人に
ひとりひとつ分の悲しみだったし

なのに ひとりじゃないよ!って・・・
だけど ひとりじゃないよ!って・・・

だけど独り? なのに独り!

2011年 5月 19日 掲載


現世の花

僅かばかりを 咲いた花
ただ一度きりを 咲かせて閉じた

人の長さも 似たようなもの
僅かな時を 咲き誇れ
ただ一度きりの 現世の花

人の命も 似たようなもの
散る季節など 知る由もなく
切なくも優しき 花達よ

2011年 5月 14日 掲載


碧・初夏の章

この道を 桜色に染めていた
あの春の日の 刹那の浪漫

この道を 桜色で覆っていた
あの春の日の 記憶も薄れ

雨に打たれば 切ないだけで
土に染みては 儚いだけで

移ろい過ぎる 沈黙の時
何時しか溶かされ地中に沁みる

初夏の陽射しが 大地を干して
南から来たものが 草を揺らす

今 木々の幹を 突き抜けるのは
この日の為に 交わした約束

枝に蘇る芽吹きの色よ
小枝の端まで碧染め付け 

この爛漫の煌めきは
今 木々物語り 初夏の章

2011年 5月 12日 掲載


今日の舞台

夜明けを告げて
鳥が走る 

新緑の木々達は
一度大きく息を吸った 

そして
昨日の息を 深く吐いた

促されたように
夜が帰る

きみどり色の光が揺れ 
君の為の太陽が昇り始めた

ほら!

今日と言うタイトルの舞台が始まる
今日と言うタイトルの幕が上がる

朝の風景が浮かび上がり
シナリオの一行目が始まった

ここに展開するストーリーは
必ず幸せでなくては いけない

君のための 今日の舞台
私のための 今日の舞台

2011年 5月 10日 掲載


母守唄

命持ちたる
すべての命は
その身に 母あり
母 忘れることなき

あの日
聞いた子守唄
遠くなりし
耳もとで
我が歌おう

母守唄

2011年 5月 08日 掲載


朝空

これほどまでに美しい
朝の空が待っていてくれたのに

どうして淋しいのでしょうね。
どうして切ないのでしょうね。

迷ってばかりの心です。
背伸びしてまで遠くを見たり
振り返ってまで過去を悔やんだり

これほどまでに優しい
夜明けの空だから

ここで少し休んでってもいいですか?
無理して笑わなくてもいいですか?
子供みたく泣いてもいいですか?

2011年 5月 07日 掲載


魚になった青い花 

花達は   
巡る四季に寄り添いて
咲く時を知り 開くなり

季節巡れど狂った夏に
黄色き花が咲きて戸惑う
いえいえ おまえのせいじゃない

花達は
寄せる暦を待ち侘びて
咲く時を知り開くなり

暦過ぎるも狂った春に
桃色の花が 散り急ぐ
いえいえ おまえのせいじゃない

道端に咲きし 青ざめた花
うなだれたままに 時を問う
いえいえ おまえのせいじゃない

好きな時に 咲けば良いさ

季節巡った 暦の頃に
青ざめた花と海で出会った
おまえは 青い魚になっていた

深い海に お似合いだった
ゆらゆら綺麗な 海の花だった
ゆらゆら華麗な 青い魚だった

2011年 5月 05日 掲載


生命花

胸の前で 両手を逢わせ
指を開けば花が咲く
咲いた花は 生命花

咲くのを止めた 私の花よ
指をきつく絡め合い
悔しさ内に 閉じ込めた

胸の前で 両手を逢わせ
静かに指を重ねたら
祈りの花を 咲かすのに

生命の花を 咲かすのに

2011年 5月 03日 掲載


「蝶」

今を咲く花の色に染まれよ・・・心
春の幻と迷うな ・・・想い 
刹那の刻と 嘆くな ・・・命
        
        蝶の如くに舞い踊れ

2011年 5月 01日 掲載