砂時計・・・・・2011・4・28
切なさが流れる
六十兆個の心の粒が
六十兆個の夕暮れの中で
六十兆個の風に吹かれ
六十兆個のかすかな音で
ひとり ひとりの悲しみは
ひとつ ひとつの星粒となる
砂に溶けた悲しみは
煌めく約束の分子を閉じ込め
もういちど心の粒となる
喜びが流れる
六十兆個の命の粒が
六十兆個の夜明けの中で
六十兆個のかすかな音と
六十兆個の風に吹かれて
ひとり ひとり輝ける砂の粒
ひとつ ひとつの時を刻む
夢幻の心の定位置へ
流星となりて流れゆく
それは まるで砂時計だった
2011年 4月 28日掲載
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