西陽・・・・・2011・8・12


西陽

心に刺した矢のような
矢車草の切なさよ

風に言われて北を向いた
空に呼ばれて西を向いた
それは愛しさ?
それとも切なさ?

そろり故郷へ向いて想う
父よ母よ幼き日々よ
何ひとつ 辛いことなど無くて
何ひとつ 苦悩することも無くて

振り向くと後ろには父が居た 
どんな時も母が待って居た
若かった頃の 父よ母よ
小さな私と弟よ

あの庭に咲いていた
矢車草が今年も咲いたと
ただ一緒に見たいと 思い出しただけのこと
ただ一緒に頷きたいと 思い出しただけのこと

2011年 8月 12日掲載
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