8月13日・・・鎮魂歌2

ムサシ君・・・2歳 体重53kg
肩に前足を乗せてタッチすると、私よりあの子のほうが大きくなっていました。
かなり食欲のない日もあり、私の手からしか食べない日も増えてきました。
病院の薬や漢方薬まで飲ませていましたが・・・大好きなおやつに混ぜても、薬だけは残します。
どうしても、飲んでくれないムサシに、「ムサシくん!お薬飲まないと、死んでしまうから・・・」って
言った時、私の言ったことが解ったのか、涙を見たからか、残していた薬をそのまま飲んだのです。

そして異常気象といわれた暑い夏の年・・・みかんが色付き始めた頃でした。 
薄暗くなった夕暮れの中で・・・あの子は天国に往きました。
滅多と吼えることの無かったムサシの声が!聞こえる筈無い教室にまで聞こえた気がしました。
オカアサ~ン! オカアサ~ン!と2回、私を呼んだのです。
同時に、主人からの携帯がなりました。
私達は、覚悟はしていましたが・・・お互いに ただ一言 「うん・・・」  「うん・・・」
飛んで帰った時には、未だあたたかくて・・・
まだ、その頃このあたりでは松山にしかペットの葬儀屋さんは無く、いつも遊んでいた、大きな木が沢山繁っている敷地内に眠らせました。
オトウサンもオニイチャンも・・・深く深く掘って横たえた、あの子の身体の上にどうしても・・・
どうしても・・・、どうしても・・・、土を戻すことが出来なくて・・・。

ムサシの運動場まで作ったその広い土地には、数本のミカンの木もあります。
1才の秋 黄色くなった実をもぎ取り、一房ずつむさし君と半ぶんこ。
次の秋にあの子は覚えていて・・・オカアサン見て!見て!と教えました。
オニイチャンとは、青いミカンを投げっこして遊んだんだよね。
今年も、ムサシ君の眠る上で・・・ほら!ミカンが小さな実を沢山、つけはじめたよ。
もう一度、おまえを抱っこしたいな・・・。いっぱい「大好き」してほしいな・・・。
オトウサンは、自分がどんなに しんどい日でも、どんな天気の日でも朝の5時半には起きて
「ムサシが、待ってるから♪」と、言って1時間のお散歩を欠かしたことがありませんでした。
今もオトウサンは・・・クセになったって言いながら、同じ時間に起きています。
そして、その後行くとムサシの眠っている場所にお線香が立っています。

大きなくせに甘えん坊で、いつも体のどこかくっついてばかりの子で、いつも一緒だった。
ムサシは・・・優しいオトウサンのところに来れて、本当に良かったね。
ムサシは・・・大好きなオニイチャンのところに来れて、本当に良かったね。
ムサシ・・・オカアサンのところに来てくれてありがとうね。
ねんね・・・ねんね・・・ムサシ君!

あの子は、どれ程たくさんの事を分かっていたのでしょう。
本当に不思議な子でした。    

2011年 8月 13日掲載
Home » 花言葉 » 8月13日・・・鎮魂歌2 (現在のページ)