8月17日・・・1 えっせー

飛べた頃の話

押し入れの中に ずっと入れたままだった、
僕の背中に付いていた羽のことを思い出したんだ。
急にどうしてかな?

たぶん 窓から見えた星空が あまりにも綺麗だったから、
この羽で夜空を 飛んでいた頃のことを思い出したのだろうね。
あの頃、僕の背中で この羽がしゃんと羽ばたいていたっけな。
君が淋しい時、すぐに会いに行って あげられるように
君が泣き出しそうな時、すぐに飛んで行って あげられるように

いつからだろうね。
僕の背中の羽が 要らなくなっってしまったのは・・・
君はもう、すぐに会いたいなんて言わなくなったし
君はもう、泣いたりなんかしなくなったし
この 星空さえもが、どこかで区切りがあるような気がするよ。
この時間さえ、別々に流れ始めた気がするんだ。

だから…もう、
僕の背中の羽は 邪魔になってしまったのさ。
子供の頃に遊んだ超合金のオモチャみたく、外すのなんて簡単だったさ。
そして、僕のパーツを乱暴に押し入れの中に投げ入れたんだ。

もう…次の恋が始まっても僕は 知っているよ。
あの頃のように空を飛べないってこと
あの頃のような純粋な心で 生きられないこと
もう…羽はいらない
もう…羽はいらないんだ

明日はゴミ出しの日だから僕の羽は 粗大ゴミの袋に入れるんだ。
忘れてしまいたい思い出は燃えるゴミになるのかな?
じゃあ、消えない思いと涙は不燃物のほうだね。
さよなら…僕の羽
さよなら…僕の大好きだった君

明日 からは、自分の足でジャンプするよ!
明日からは、この足で大空を飛んでみせるよ!

2011年 8月 17日掲載
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