みどりうさぎの子守詩 (片井 絽々)


「森の子守唄」

星が揺れているの?
私が揺れているの?

月が泣いているの?
私が泣いているの?

森が唄っているの?
あなたが唄っているの?

愛しいものに逢いたくて
優しいこころへ
優しいこころへと

穏やかなものに逢いたくて
静かなこころへ
静かなこころへと

星が揺れているの?
私が揺れているの?

月が泣いているの?
私が泣いているの?

はじめて出逢ったはずなのですが
「どこかでお逢いしましたか?」

はじめて聞いた声が懐かしい子守唄のようで
「どこかで唄ってくださいましたか?」

森が唄っているの?
あなたが唄っているの?

こんなにも懐かしい子守唄
こんなにも優しい子守唄





「肌護り」

そっと忍ばせ身につけたこと

守られていると思う心が
この身を守ってくれること

自分に優しくできること
誰もに優しくできること

2011年 3月 16日 掲載

まほろば



穏やかな心 見失う時
澄んだ心 淀み漂う日

あてなく探す
かの まほろばよ
遥か遠き宙か古か?

すさむ思い 抱えきれず
切なき濃度 溶かしきれず

さ迷う心を 迎え誘うは
この まほろばよ
我が細胞の内の宙か?

総ての命と総ての祈り
そろりひそめて 源と知る




五弦の琵琶



涙 ひとつぶ 落としたような
五弦の琵琶の泣き音は
切ない今を想いて泣かせる

ひとつ弦ひき 我が子の声
ふたつ弦ひき 父親の顔
みっつ弦ひき 母の姿
よっつ弦ひき 君のこと
いつつ弦ひき 我が心

悲しい音しか 唄えずに
寂しい曲しか 奏でずに

涙 ひとつぶ 落としたような
五弦の琵琶の泣き音は
遠い昔を偲びて泣かせる
           
穏かなる音 聞かせておくれ
嬉しき曲を 奏でておくれ
           

2011年 3月 15日 掲載