みどりうさぎの子守詩 (片井 絽々)


「 命の意味 」

この星で・・・
この父と この母の子として
生まれ来た命

1/2億5千万の奇跡の意味を
どれだけ解って
生きていたのだろうか?

2011年 8月 05日 掲載


「 野の花 」

名前も知らぬ
野の花は
儚そうに見えたけど

激しい雨に打たれようが
真夏の陽射しに焼かれようが
ましてや人に踏まれようが

次の朝には
しゃんと顔を上げていた

本当に強いのは
ひっそりしなやかな命のこと

    

2011年 8月 01日 掲載


「 星になる花 」

夏の夜
夢見て咲くは
星の花
夜空を飛びて
星になる花

夏の花
何時の夜にか
星になる
夢 叶うようにと
散ることもせず

夜空を見上げて
咲いてみる
飛んでみる
願わなければ
夢にもなるまい

もう一度 咲いてみる
もう一度 飛んでみる
 
夏の夜
夢見て咲くは
星の花
何時の夜にか
星になる花

2011年 7月 27日 掲載


「  森羅万象  」

生きとし生きるもの達の
生かされたる命 ただひとつ
携えし心 ただひとつ

生きとし生きるもの達の
限りある身 ただひとつ
移ろう心 ただひとつ

森羅万象
生きとし生きるもの達の
今 受け取るは 微々たる区切り
ただ僅かなる流れの狭間

宇とは 限りなき時と知り
宙とは 果てしなき距離と知る

2011年 7月 25日 掲載


「 流れ 」

まだ 縄張りさえ持たぬ
幼い鮎達が
怖いもの知らずに群れ遊ぶ

青い空に羽根色を貰った
カワセミが
澄み切った川の節理を見守る

その下流で人々は
今日を 忙しなく生き急ぐ

水草は
流れに身を任せたまま・・・

休むことなく
この星を浄化し続けているのに・・・

2011年 7月 21日 掲載


「 浮水花 」

夏の漫ろに咲く花の
水面に伸びて群れる花色

まるで無から生まれたように
何時しか浮かびて命始まる

誰に頼る訳でもなくて
自分に奢る訳でもなくて

こばると色の夏空色と
夢の気泡を抱えて揺らぐ

ほんの短い季節の途中を
1日咲きて沈みゆく

華やかに儚く 浮水花

ほんの短い旅の途中に
刹那を咲きて思い出にする

華やかに儚く 浮水花

2011年 7月 13日 掲載


「 時の音 」

幸せの時は流れゆくのに
悲しみの時は止まったままで

幸せの日々は忘れ去るのに
悲しみの時は追いかけてくる

時は自分の中で刻むものだった
時は心と重なり刻むものだった

音になれない声で泣く
声になれない想いが泣く

涙の音が 今の私の時の音
心の音が 未来の私の時の音

2011年 7月 11日 掲載


「 巡り逢い 」

季節 巡りて花は枯れ
心 過ぎて人は去りゆく

それを終わりと呼びますか?
これを始まりと思いますか?

こんなにも 辛いサヨナラを
しなければならない訳は

巡り逢う時を 待っている・・・

その季節と
出逢うためのサヨナラなのです。

巡り逢う心を 待っている・・・

その人と
出逢うためのサヨナラなのです。

これを終わりと呼びますか?

これを 巡り逢いと 呼ぶのでしょう。

2011年 7月 09日 掲載


「 水鳥 」

心に 雨 降り続いても
差し掛けてくれる 傘さえ無かった

身体の 痛みに眠れなくても
仕方が無いと ひとり目を閉じていた

寂しいと言うことさえ 伝えられずに
優しい言葉さえも あげられずに

それでも・・・水鳥
それでも・・・寄り添い

空 飛ぶことなど望みはしない
そっと過去を辿りながら
忘れていた想いまで 帰ろうか?

振り返っては 君を確かめて
振り返っては 君に微笑み

進む後先に 波たたぬよう
進む後先に 風吹かぬよう

穏やかに君と 老いてゆこうか?
静かに君と 老いてゆこうか?

2011年 7月 08日 掲載


[再生]

左手の時計を はずし
現生の今日を 終わらせる。

肺の底に積み重なった
一日分のデータを吐き出す。

大脳皮質は多大な情報を
消去しますか?と 聞いてきた

心の司令部が Yes!を選択して
クリックしてしまった。

忘却の為の夜か?
再生の為の夜か?

現生の朝に生まれ変わるために
眠りの隙間で更新する。

2011年 7月 07日 掲載


「母守唄」

命持ちたる
すべての命は

その身に母あり
母 忘れること無き

あの日
聞いた子守唄

遠くなりし耳元で
我が歌おう母守唄

2011年 7月 06日 掲載


[色即是空]

存在を見るも 総ては空で・・・
固執しようが 儚いだけで・・・

翠の木々も  
季節移れば落葉樹となる

満ちた月も
夜毎に像を変えて流れる

咲き誇る
花さえも 夏の花火の如く

総ての今は夢幻の錯覚
掌握するなど愚かな思い
留まること無く移り行く

碧い星 46憶年の時経て我らの住む

揺らぎの侭に許されたる 人の高貴よ

移ろいの中に与えられた 命の尊さよ

2011年 7月 05日 掲載


[ 魚になった青い花 2 ]

花達は   
巡る四季に寄り添いて
咲く時を知り 開くなり

季節違えた 狂った夏に
赤き花が 咲きて戸惑う
黄色き花が 散り急ぐ

いえいえ おまえのせいじゃない

道端に咲きし 青ざめた花
うなだれたままに 時を問う
いえいえ おまえのせいじゃない

好きな時に 咲けば良いさ

季節忘れた 夏の頃
青ざめた花と海で出会った
おまえは 青い魚になっていた

深い海に お似合いだった

ゆらゆら綺麗な 海の花だった
ゆらゆら華麗な 青い魚だった

2011年 7月 04日 掲載

最近、知人を送ることが多くなりました。
これは・・・年齢的なこともあるのでしょうが、自分の身に置き換えて考えてしまいます。


[ 生き方 ]

自分で決められないのは
どれだけ
生きるかという事でした。

自分に決められるのは
どのように
生きるかという事でした。

2011年 7月 02日 掲載

穏かな朝の蓮の葉に、キラキラのみずたまりが・・・
自分の色を持たない水滴が、僅かな朝の時を周りの景色に色を染めて輝く・・・。


[花火色の花]

蓮の葉表の小さな分子が
色ある色に焦がれて揺らぐ

鳥の赤色
夕日の茜色
木の実の黄色
若葉の翠色
星の碧色
蓮池の藍色
朝の紫色

漆黒の空に見た
あの夏の花火のようにと

次の雨が上がった朝に
煌めき色した花が咲いた

総てを受け入れ総てを溶かし
花火色した光を咲かせた

それも 刹那の花と知りつつ

2011年 7月 01日 掲載

名前も知らない ツル草の濃いみどり色は、
自らの力で 天空からの光や命の源を染み込ませているようです。
星のように輝く 月色の花を咲かすのかも知れません。

「月色の花」

遥かなる
宇宙の素粒子
染み込みて

 深き翠に
   濃き碧に  

名も無き
君の行く手には
月色の花が
咲くと言う

2011年 6月 29日 掲載

これまでの人生の中で 何故か不思議に感じてきたこと!
それは、出会った出来事、出逢った人、出会った時など・・・それらに由って
自分自身は変わりないつもりでも、自分自身を変えてゆくのだということ。
自分が変わっていることに気づけた時に、周りを見回すと確かに景色が違っていたこと・・・。

出逢い
何かと出逢い
誰かと出逢い

気づきがあって
心が変わる

命と出会い
時と出逢い

自分と出会い
心と出逢う

哀しみも切なさも
儚さも愛しさも

生きることは
学ぶこと

2011年 6月 25日 掲載

この無限大の宇宙の、無限大の時空の中で、この風景とか、人の出逢いとか心とか・・・
これほどまでに、偶然で刹那的な時は無いと思います。
次の命が巡った時まで 細胞のどこかに記憶したい現世の瞬間があると幸せですね。

存在

どうか忘れないでください

百年先も

ほんの僅かな記憶でいい

この生命が

まこと細やかに咲いていたことを

この生命と

僅かな時空の中に出遇ったことを

2011年 6月 24日 掲載

人の命とは、爪の上に砂を乗せるようなものだといいます。
もっと、もっと生きたくても 生きられない命・・・
もっと、もっと生きたかったのに生きられなかった命・・・
両親から奇跡的に授けられた、自分の命を考えることがあります。

この星で
この父と
この母の子として
生まれ来た命

2億5千万分の1の
奇跡の意味を
どれだけ解って
生きていたのだろうか?

2011年 6月 23日 掲載

もしも、ひとりで生きられるのなら・・・悩むことも少ないのかな?
でも、それはそれで・・・自分のことでいっぱいになるのかも知れませんね。
ひとりぼっちでも、沢山の人達の中でも、寂しい時はさみしいのですね。

だんご虫

誰かと繋がっていなけりゃ
生きて行けず

かといって絡み混ざりても
生きて行けず

自分の居場所を無意識に探す

気付かぬままに何かに追われ
見えぬ何かに押され続けて

それでも日々は
止まることなど知らずに進むから

突然心は扉を閉めた
自らの手で今を閉めた

だんご虫になった

このまま眠ろう… 
このまま眠ろう…

眠ろうこのまま だんご虫
穏やかな時に起こされるまで

そのまま眠れ
そのまま眠れ

眠れそのまま だんご虫

2011年 6月 22日 掲載