みどりうさぎの子守詩 (片井 絽々)
雨の中で
この雨の中で
停まっているのは
自分だけでは
なかったのですね。
この雨の雫が
流れて消えて行くように
悲しみさえも
留まりはしないのですね。
この雨が上がれば
また太陽の陽射しが
幾千億の細胞を
乾かすのですね。
天空の隙間から
せせらぎの音が聞こえる
光風のゆらぎ
解明された魔法の言葉
天空の川から
溢れた時間が落ちる場所
全てが優し過ぎて
過去には出来なかった
天空から零れ
未知なる未来が降り注ぐ
満ち足りた人生にも
命の悲哀が挟み込まれていた
リアリティーな時空の
不敵な微笑み
見えない重力を課して
人の心を
迷い惑わせる
闇夜の眠りに隠れて
密やかに夢の中
星の雫で開く幻の花
夜明けに
黄色い花と咲け
過ちが去ったと書いて
過去という
優しさなのだろうか?
忘れ切れなかった思い
過去のせいにして
密やかに許してみようか
細やかな夢を見つけ
未来記憶へと
飛び立つ為の過去ならば
小さき花
名さえも知らぬ雑草を
飽きずに見ている
薄紫色の小さな五弁花
この年まで生きて来た道で
初めて気付くモノ達
夏近き中で
ひとり立ちつくす
だからこそ見つけられた
景色の素粒子
止まることを許されたのは
人の心だけだろう
花言葉・薔薇
大切な貴方が
何時も幸せでありますように
大好きな貴方が
何時も元気で暮せますように
大好きな貴方を
ずっと大好きでいられますように
伝え切れない想いを
この薔薇の花に托しましょう。
後どれ程の距離なのだろうか
どのような道なのだろうか
誰であろうと分かる術はない
ただ今日という日が
残りの人生の始まりの日
最も重要なことなのだが
終止符を意識することはなく
ここ迄も この先も辿る
ただ今日という日は
残りの人生の始まりの日
不安という
夜行性怪獣が現れた時は
心あれこれ思い巡らせず
気持ちバタバタ走らさず
ただ夜が過ぎ行くのを
灯りをつけて待ちましょう。
必ず明日はやってくるから
太陽さえ昇れば大丈夫!
不安という夜行怪獣は
去って行きます。
ゆっくり歩いていても
つまづきそうな心が
転ばないように
引き返さないように
取り残されて
追いつけない心が
諦めないように
壊れてしまわないように
そっと見ていてください
待っていてください
手を貸してと言えない私に
頑張れとは言わないでください
山河や七つの海さえも
銀河に位置する星座でさえも
一刻ごとに姿を変える
不変とは言葉だけの存在か
自分の想いくらいは
君の思いくらいは
生々世々と信じているが
今日の切なさに戸惑っている
森羅万象 時空を亘り
瞳に捕らえぬモノ達でさえ
移ろうことを定めとし
存在する事の意味を許された
こんな日は
こんな日暮れは猫になろう
遠い誰かを呼ぶような
悲しげな声で
泣いてみようか?
こんな夜には猫になろう
冷えた心と冷たい指先
君の身体に
遠慮がちに擦りよせて
こんな朝には猫になろう
窓辺の日射しを
追いながら
優しさ探して転がって
こんな日には猫になろう
疲れた心
投げ出したまま
何もしないで眠ろうか?
最小の数は未来を抱いて
万物の誕生よりも先に存在していたの
かも知れない
無限大の
宇宙を詰めた
この人間さえも
一人と数え
無限大の時が
流れ行く
この時空さえも
一秒とする
すべてを総括する
始まりは
最も控え目ながら
最も偉大な夢の塊なのだ
あけましておめでとうございます。
本年も、何卒宜しくお願い申しあげます。 絽々
生きとし生けるもの達の
生かされたる命 ただひとつ
携えし心 ただひとつ
生きとし生けるもの達の
限りある身 ただひとつ
移ろう心 ただひとつ
生きとし生けるもの達の
受け取る今は 微々たる区切り
僅かに足らぬ時空の狭間
森羅万象
宇とは 限りなき時と知り
宙とは 果てしなき距離と知る
今年も、後僅かとなりました。
公私共々大変お世話になりました。
悔しさ 切なさは、新しい自分の為にも許して忘れて
ステキがいっぱいの良い年を向かえましょうね!
どうぞ、良いお年をお迎えくださいませ。 絽々
私が重ねた罪は
夢を見すぎたこと
未来記憶を夢と信じた
眠りの中で待つ真夜中の夢も
胸に潜めた憧れも
全て幸せに近い夢物語
しかし現実とは呼んでやれず
どれも儚く切なくて
だから寂しいのか
寂しいから夢なのか
私の重ねた罪は
夢を置いてきぼりにしたこと
心が傷ついた時
そのひび割れから
キラキラの光が
差し込むんだ
楽しい事ばかりじゃない
辛い事ばかりじゃない
誰もが 泣いたり笑ったり
だから人間していられるんだよね
心を止めて息を潜め
時空の流れに鍵を掛ける
閉じ込もりたいのではなく
安定を維持する手段として
ひとたび 騒々しい思いを
自分のサークルから排除する
素直に望む解答を選択し
迷いの真正を見つけるために
許可された判定が
未来に加勢してくれるだろうから